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事件が起きたのは、それから1ヶ月くらい過ぎた頃だった。明美ちゃんは相変わらず友達を増やし続け、厚みを増してゆくサイン帳を、公園でニコニコ読み返していた。塾に行き始めたら、一気に友達が増えたらしい。今70人!残りは30人!頑張るぞ!とご機嫌だった。
「塾の時間まであんたらと遊んであげる!」
私達を指差して、まずはシーソーと駆けていく明美ちゃん。それが私達の最後だった。
塾の時間ギリギリまで遊んだ明美ちゃんは、ヤバイヤバイと言いながらあんたらまた明日ね!と去って行った。残された私達も、帰ろうかとそれぞれ帰路についた。
次の日、梅子ちゃんは学校に来なかった。
朝の会で先生は、風邪で休みと言っていた。
ところが、本当は全然違った。放課後、給食のゼリーとプリントを持って私達がお見舞いに行くと、あれだけ明美ちゃんにベッタリだった梅子ちゃんが明美ちゃんを拒絶した。
「あんたのせいで怖い思いをした!もう関わらないで!」
明美ちゃんを見ると暴れて仕方ないので、私と桃子ちゃんだけで家の中にお邪魔すると、やっと何があったか話してくれた。
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