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アリマ様は溜め息を吐かれた。
「なあ、グレイ。俺さ、自分の子供が欲しいんだ」
突然、リョウヘイ様は仰った。
「左様でございますか」
「うん。でもな、作れないんだ」
談話室のソファに座るそっくりなお二人。兄であるリョウヘイ様と、妹であるアリマ様は同じことで悩んでおられた。
「俺もアリマもさ、好きな人がいるんだよ」
「そうそう」
「好きな二人が行き着く先は」
「結ばれることよ!」
「結婚、でございますね」
私がそう言うと、リョウヘイ様とアリマ様は、同時に私の頭を叩かれた。
痛くも痒くもない。何故ならば私は人工知能ロボットないしAIロボットなのだから。
「はて。何故叩かれたのでしょう?」
「もう! わかってないんだからあ!」
「結ばれることっていうのはな、形式だけじゃなくてな、身も心も全てってことだ」
「そうですね。人間は、生殖活動を愛し合うと仰られましたね。つまりは性」
「ストーップ! グレイ! 事細かく言わなくてもいいから」
「左様でございますか」
「はあ」
「ふう」
お二人は同じ様なしかめっ面をされていた。
「赤ちゃん、欲しいなあ。あの人の子……」
「俺も、あいつと家族を築きたい……」
お二人が溜め息を吐かれる理由は、お二人の身体にあった。
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