卵と殻とAIロボット

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 リョウヘイ様は、私に向き直られた。 「元々、俺たちには子宮も卵巣も精巣もあったはずだった」 「私たちの両親だった人たちは、私たちの髪色、瞳の色、肌色。身長、運動神経、知能。全てにおいて理想を伝えた。ゲノム編集は一気に七十四ヵ所に至った」 「博士の上司だった研究者が執刀したそうだよ。けれども、最高権威とも言われる博士でさえも、ゲノム編集の先は未知だと言った。博士は反対したらしいよ。一度に出来るゲノム編集は限られている。ロボットでない限り、完全はあり得ない。不完全だからこそ人間足り得るのだって。結果、博士はチームを外されたわけだけども」 「どうなったのですか?」  私はその先の話を尋ねた。 「産まれた兄は失敗作だった。最高の遺伝子を持っているはずなのに、臓器が足りていなかった」 「その失敗に両親が言ったことは、次こそは失敗しない成功な子供を作ろう、だったそうで、数年後に私が産まれた。結果的にはどちらも欠陥品で、私たち兄妹は博士の元に流れ着いた」 「そうだったのですね」 「グレイはスバルがここに来たのと同時に来たから知らなかっただろうけど。結局、どれだけ科学が未来を掴んでも、過去から進化を繰り返す人体の神秘には叶わないってことだ」     
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