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「チビの頃から他よりもガタイが良くて、あっという間にガキ大将みたいになった。腕っ節が強いばかりで、大した勉強が出来るわけでもない……計算は速かったか。商人の親父から拳骨されながら教えられたからな」
キフラスが五つ下。いつの間にか地域のガキ大将だった。曲がった事は嫌いだし、間違ってると思えばその通りに口にする、直球なクソガキだった。
「そのうちベリアンスやレーティス、教会のガキだったチェルルやリオガン、ハクインとも親しくなって、チビの頃からずっとつるんでいた」
悪い事も、大事にならない程度にした。全員たんこぶ作って涙目になるくらいの事だ。教会のガキが苛められればそのグループと喧嘩して、ボロボロになって帰ってきたりした。
「俺達の住んでた場所ってのは、国境の中でも酷くてな。夜盗は我が物顔だし、遊牧民も攻めてくるし、最終的には他国の軍が攻めてくる。町はその度に荒らされまくって、死人がわんさか出た」
「国の軍は何をしていたの?」
「俺達が荒らされ殺されてるのを見ながら、悠々と出陣の準備をしてるのさ。俺達の町より後ろに砦がある。俺達はいい餌で、その餌に食らいついている間に出兵と、そんないいご身分だ」
「最低だわ」
「まぁ、それでも昔よかいいらしいぜ、親父達の話だと」
何十日も来てくれないことも多かったらしい。
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