悲しみの先へ(レーティス)

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 薄く引き延ばされていくピリリとした痛みと、苦しいくらいの圧迫感。そしてそれを上回る多幸感。ようやくこの体は、この心はこの人のものになった。そういう、安堵に笑みがこぼれる。 「痛くないか?」  気遣わしく手が目尻を拭い、唇にキスが落ちてくる。精悍な表情に浮かぶ汗と、切なく寄せられる眉。それを見上げ、レーティスは微笑んだ。 「幸せです」  体の関係が全てではない。けれど心だけだと心配でもある。心で感じる愛情を、体でも感じたい。この人の独占欲を見てみたいし、独占されたい。  時間をかけ、慣らしながら繋がった部分はみっちりと埋まった。隙間もないほどに。幸い切れることもなく最後まで受け入れる事が出来てホッとする。今は自らの腹の中に感じる圧迫感に、満足だ。 「動いてもいいかい?」 「勿論」  ズズッと抜け落ちると、内壁を擦られると同時にイイ部分も擦られる。それだけで足先に力が入ってつってしまいそう。  それが今度は力強く入って、奥を叩くのだ。それだけで気をやりそうになる。軽く飛ぶ。あられもない声を上げ、大きな背中にしがみついているのが精々になってくる。 「っ、狭いな……っ」  息を詰めるように呟かれた言葉と、続いてしっかりと抱き込まれる体。ピッタリと合わさった熱に安心感を感じる。深く埋まり、欲望を見せる様に深く穿たれるのを感じている。     
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