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「それにしても、懐かしい。店の親父さんとお袋さんは元気なのか?
「はい、元気です! 自警団の皆も元気ですよ。皆、寂しがってました。キフラスさんだけじゃなく、リオガンちゃんもいなくなってしまうし」
「悪かった。思ったよりも慌ただしく行かねばならなくなって、ろくな挨拶もできなくて」
突然戻って来たアルブレヒトの側について準備をして、準備が終わったらもう出る事になって、本当に自警団長に一言二言話すのが精々だった。
申し訳無い気持ちに頭をかくキフラスに、ビアンカはくすくすと笑った。
「でもこれで、いい報告ができます。他の皆は元気なんですか? ハクインくんとか、レーティスさんとか」
「あぁ、元気だ。チェルルはあの別荘地に戻っていると思うが」
「何度か挨拶はしたんだけど、綺麗な女の人が一緒にいたり、お医者先生と一緒だったりでお話する感じじゃなくて」
首を竦めるビアンカに疑問を投げると、ビアンカは「お医者先生のお母様なんですって」と言う。どうやらハムレットの母に好かれたようだ。
チェルルは人の懐に入るのが上手く、昔から年上に可愛がられる事が多かったが、今回もほぼ無自覚にそういう状況なのだろう。何にしても上手くやっているようで安心した。
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