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子犬のワルツ(リオガン)
十二月も、終わり。もう少しで一年が終わる。
ジェームダル王都に小さな家を借りて住み始めて数ヶ月。ようやく慣れた気がしている。
「リオガン兄ちゃん!」
教会兼孤児院にいる子供が数人、走り寄ってきて抱きつく。それを受け止めて、リオガンは控えめな笑みを浮かべた。
「兄ちゃん、今日は雪合戦しようぜ!」
「えー、一緒に雪だるまにしようよ」
「寒いから中でご本読んで」
子供達の沢山の要求に、リオガンは少し困りながらも頷いた。
「まず、雪合戦しよう。雪だるま、先に作ってて、ね? お昼ご飯食べたら、ご本、読もう」
一つずつ確認するみたいに伝えると、子供達は素直に「はーい」と言ってそれぞれ散らばっていく。
子供達が庭に出て走り回るのを見ていると、教会のシスターが笑いながら近づいてきた。
「リオガンさん、いつも有り難うございます」
「あの、いいえ」
ペコリと頭を下げたリオガンに、シスターはくすくす笑っていた。
アルブレヒトの仕事の手伝いは今もしている。けれど空いた時間で、教会の助けをしている。
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