本当は

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「やあ始めまして。僕もあなたと同じ日本で住んでいます。この間こっちに台風が来てた。きっとその台風が君の所へ行ったんだろうね。実は僕は今日死ぬつもりだったんだ。でも海に君の手紙があって。返信がほしいみたいだったから今こうして君宛の手紙を書いている。君と友達にはなれないかも知れない。けれど、話を聞くことはできるよ。少しの間だけなら」 その手紙には住所が書かれてた。私はあまり知らない場所だったけれど、特に気になりはしなかった。私はそしてまた手紙を書いた。 「拝啓異地の友へ。私が今手紙を書いている時。やっとこちらも晴れ間が見えてきました。君のとこの天気が綺麗にこちらに移り住んできたようです。この間の君からのお手紙。中身は衝撃的だった。でも私は何だかなあ。君のことが好きだ。何だか君と私は鏡のようだと思った。死にたいとまでは行かないけれど、私も最近生きるのが辛かったのです。でも君からの手紙がポストにあってとても嬉しかったです。それだけで。 ところで、話は変わりますが、あなたのお名前を教えていただけませんか。」 「スズミヤヒカル。と言います。男なんですが、好きだなんて言われると照れます。もしかしたら初めて言われたかもしれない。変な意味じゃないのはわかってますよ。まだ僕は生きてます。だからあなたも人生に疲れてても死んじゃ駄目ですよ。僕が頑張っている間は頼みますよ。返信が返ってこなくなったら、本当に悲しいですから。それではミウラさんからの質問にお答えしたいと思います。」 「拝啓異地の友へ。君からの返事のお手紙を読んで、私は今とても驚いています。私と君とはとても気が合うようです。あなたの好きなものの殆どが私の好きなものでした。それともう一つ驚いたのは、君のとこの天気が暫くするとこちらに移って来るという事。君がこの間の手紙で忠告してくれた台風。こちらへやって来ました。君のおかげで事前に洗濯物を済ませる事ができました。本当にありがとう。」
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