25章 予測不能のシナリオ

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・ アダルトの枠で選ばれた晶さんは目の前にいる舞花のフワフワとしたドレスより、シンプルなマーメイド風のデザインのドレスを身に着けている…… ロングのドレス姿は初めて見る。。。 てか、ドレス姿自体が初めてなんだけど…… 隣にいるマリオがキザなせいか、晶さんもなんだか御高く止まって見える── ……気がしてならなかった。。。 「何、不貞腐れた顔してる?」 「別に不貞腐れてなんて居ませんよ」 パイプ椅子に腰かけていた俺を覗き込むようにして楠木さんは笑いながらちゃかしてきた。 仕事だから── 確かに気分は好くないけど仕事となればべつだから…… 俺は自分に言い聞かせながら大人な装いの二人から視線を足元に移していた。 「舞花は心配なさそうだな」 他の仕事を片付けてから遅れて現場に現れた楠木さんは、撮影する舞花を見てそう洩らしていた。 モデルもこなしていただけに、可愛いドレスに見合った表情を舞花は上手に作る。 晶さんはどうなんだろう── 今までの仕事は殆どが顔出しNGだ。 まともに写される撮影は、あの北海道での素のままの姿が初めてのはず。 晶さんに表情なんてつくれるんだろうか── 「……なんか心配…」 「……大丈夫だろ、マリオがフォローするらしい。無理させないような撮り方をそれとなく打ち出したみたいだし」 ポソリと呟いた俺に楠木さんが要らぬ事を口にしてくれた。。。
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