1章 捨て猫のミィと、拾ったホスト

11/21
前へ
/84ページ
次へ
「ただ、いるのはかまわないが、おとなしくしてろよ。おまえは猫なんだから、さっきみたいな口応えとかはすんな」 言うのに、猫なのは変わらないんだ……と、ぼんやり思う。 「……おとなしくしてれば、ずっと飼っていてやるから」 「……うん」 飼うって……本当に、猫としか見てないのかな……。 居させてくれるのは嬉しいんだけど……でも、それって一体どういうつもりなんだろう……。 なんて、いろいろと頭の中で考えていると、 「……ミィ、もうミルク全部飲んだのか?」 訊かれて、 「…うん、ああ…飲んだ…」 頷いて、空になったカップをテーブルに置くと、 「よしよし」 頭をぐりぐりと手で撫でられた。 さっきから猫にするような接し方だよね……どう考えたって。こっちも、猫に徹してた方がいいのかな……。 一体どんな反応をしていいのかいまいちわからないでもいると、 「じゃあ、ミルクも飲んだことだし、風呂に入れてやるよ」 と、ソファーから急に立ち上がらされた。
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

718人が本棚に入れています
本棚に追加