1章 捨て猫のミィと、拾ったホスト

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いつもはトランクスなんで、履いたことがないボクサーパンツは、なんだか窮屈で心地が悪い。 それに、Tシャツからは彼の纏う香水の匂いがして、なんだかドキドキしてしまう。 「ビールでも飲むか?」 冷蔵庫から缶ビールを出して、テーブルに置く。 「好きなの飲めよ?」 ビールはいくつも出されて、どれも銘柄が違っていた。 「…うん…」 中の一つを取ると、 「俺が開けてやる」 と、取り上げられ、プルタブを引き開けた缶が返された。 「…ありがとう」 ビールを一口飲む。 ゴクリと自分も缶から飲んで、彼が、 「……猫用の首輪でも買ってやろうか?」 本気とも冗談ともつかない口ぶりで言って、軽く笑った。
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