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「もう起きてたのか?」
「うん…」
「そっか…」と、頭が撫でられる。
「……まだ仕事に行くまでには時間があるから、俺はもう少し寝てたいんだが……おまえ、お腹すいたか?」
「うん…あんまり……」
言ったそばから、ぐぅとお腹が鳴って、「フッ、ククッ…」と、笑われた。
「……すいてんなら、そう言えよ。…ああ、でも俺はうちじゃ寝るだけだから、なんも食べるもん置いてねぇや」
ベッドから起き上がって、
「どうすっかな…」
と、困ったように髪を掻き上げる。
「……あの、無理に食べなくてもいいし、本当にそんなに僕……」
迷惑をかけたくなくて言ったつもりだったのに、言葉とは裏腹にまたぐぅぅと音が鳴った。
「…クッ! おもしろすぎ、おまえ。めちゃくちゃお腹すいてんじゃん。昨日、もしかしてなんも食ってなかったのか?」
真っ赤になって「うん……」と頷く。
夕べは部屋を追い出されたショックで、なんにも食べずにあの公園のベンチにずっとうずくまっていた。
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