2章 No.1ホスト流の、飼い猫の躾け方

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「食べたいもんとか、なんかあるのか?」 「……わかんない」 お腹は減ってるのかもしれないけれど、そんなに何か食べたいものとかがあるわけでもなかった。 「わかんないって、なんだよ? 自分の食べたいものもわからないのか? 」 「…うん」と、頭を縦に肯くと、 「……やっぱ変な奴」と、呆れた顔をされた。 「じゃあ、どっか外に食べに行くか」 「え…いい…そんなの……」 住まわせてもらってるだけでも悪いのにと断ろうとすると、 「……猫が、気ぃつかうな。飯ぐらい、いくらでも食わせてやるよ」 抱き寄せられ、頬がくっつけられて、 「……ちょっと着替えるから、待ってろ」 と、耳に唇を寄せて言われた。 そんなたいしたことじゃないのに、なんでわざわざ耳元で声をひそめるんだろう……。 「ん…」 唇の付けられた耳が、くすぐったく感じるのに……。 ……からかわれてるような気もして、もしかしたら猫とじゃれてるような感覚なのかもとふと思った……。
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