2章 No.1ホスト流の、飼い猫の躾け方

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「寝る時はよくても、俺の服で外に出んのとかはイヤだろ? だからおまえは、とりあえず昨日の服でも着とけ」 「…うん」頷いて、別にイヤでもないけど、レオンの服装はたぶん自分にはハマらないんだろうな…と感じる。 Tシャツを脱ぎかけて、彼のボクサーパンツを履いてたことに気づく。 相変わらず履いた感じはあんまりしっくりこなくて……だけどこれしかないしと思って、 Tシャツの裾を引っ張って目に入らないようにもして、履いてる感触とかは考えないことにした。 自分の服を着て、付いてる寝グセを直すと、 「……もう用意はできたのか?」 と、彼が現れた。 パールホワイトカラーのスーツを着こなして、白金の短かめな髪を軽く撫でつけた、たぶん仕事用らしい格好は、いかにもホストっぽい色気にあふれていてドキリとする。 「……そのまま仕事に行くの?」 尋ねると、「ああ」と答えて、 「ゆっくりメシ食いたいだろ? 家帰ってたら、また時間が取られるし。おまえを食わせたら、俺は店に直行するから」 言って、「行くぞ」と、手が差し伸ばされて、繋いでいいのかな…と、眺めていると、 「…ほら、早くしろよ」 と、ぐいっと手が握られた。
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