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手を繋いで引っ張るようにもして、大股で早足に歩いていく。
雑踏の中をためらうことなく、人波を割って歩く姿は、目立つ白いスーツということもあって、通りすがりの人達がみんな振り返って見ていく。
「この店で、いいだろ?」
大通り沿いのオープンカフェで立ち止まって、中へ連れて行かれた。
テラス席に案内されて、長い脚を組んで、
「好きなの食えよ」
と、メニューを押し付けてくる。
「……食べないの? えっと…レオン…さんは?」
「レオンでいい。俺は、店に行く前に食事はしないから。おまえが一人で食べろよ」
睨むような目で、不機嫌そうにも言われて、
「……うん」
それ以上は何も言えなくなって、黙ってメニューに目を落とした。
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