2章 No.1ホスト流の、飼い猫の躾け方

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頼んだパスタをフォークで巻いて、口に入れる。 向かいに座ったレオンは、スーツの脚を組み替えながらブラックのアイスコーヒーを飲んでいて、そんな何気ない仕草でさえも道行く人達の視線を集めていた。 「……ねぇ、レオン…て、その…モテるの?」 気になって訊ねると、 「当然だろ」 と、素っ気なく答えられた。 「……当然なんだ…」 確かにモテるんだろうけど、この人にとってはモテることなんてどうでもよさそうっていうか……。 「…んだよ? 何見てんだよ…」 じっと見ていたら、うっとうしそうにも言われて、 「…えっ、あの……」 ちょっとビクッとすると、 「…ああ、もうこぼしてるだろう? ちゃんと食えよ、ミィ」 巻いたはずのパスタがツルッとお皿に落ちて、眉をひそめられた。
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