2章 No.1ホスト流の、飼い猫の躾け方

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「ごめん…なさい…」 びくびくしつつ謝ると、 「謝んなよ、いちいち。……っていうかおまえ、俺のこと苦手なわけ?」 真っ直ぐにも見据えられて、 「……苦手ってわけじゃ……」 と、視線を逸らして言いよどむ。 「……俺さぁ、店じゃオラオラ系で通してるから。……ああ、オラオラ系って知ってるか? 俺様キャラみたいなもんだけど、わざとお客にキツくあたって追い込みをかけるようなさ……」 言って、グラスからアイスコーヒーをゴクリと飲んだ。 「そのせいで、なんかそのキャラが染み付いてて、普段でも抜けないんだよ。…だから、おまえを怖がらせてたら、ワリィなと思って……」 なんだろう……なんだか急に雰囲気がソフトになって……照れたようにも微笑んで。突然そんな風にもやさしくされると、こっちも面食らってしまうっていうか……。 この人の性格が、よくわからないと思う。俺様っぽいのはキャラみたいにも言ってるけど、本当にはどうなのかなって……考えてみるけれど、レオンの本性とかは、まだ全然わからなかった……。
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