2章 No.1ホスト流の、飼い猫の躾け方

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服や下着を買って、彼の部屋に戻る。 「……いつ、帰ってくるのかな…レオン」 誰もいない部屋の中は、静かすぎて身の置き場所もなかった。 なんだか、本当に飼い主を待ってる猫みたいな気分にもなってくる。 ……きっと、帰りって遅いんだよね。……ひとりぼっちなの、嫌だな……。 寂しくて、ソファーの隅にうずくまって、ずっとスマホの時計を見ていたけれど、時間はちっとも進んでくれなくて、 レオンが帰るまでの時間を持て余して、買ってきた部屋着に替えようと、シャワーを浴びに行く。 「……昨夜(ゆうべ)は、裸で洗ってもらったんだよね…」 お風呂場に入ると、昨日の彼の手の感触が肌に蘇ってきて、身体が熱く火照ってもくるみたいだった。 「……レオンにとって、僕ってなんなのかな? どういうつもりで、うちに連れてきたりしたんだろう……」 シャワーを頭からかぶりながら考えてみるけれど、 「……ただの、気まぐれなのかも……。ただ、捨て猫を拾うような感覚で……」 その理由は、自分には全く想像もつかなかった。
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