3章 猫とホストの、苦くて甘い恋事情

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「……これ」 レオンの指が、首に巻いたチョーカーにかかる。 「……もう外していいから…」 「……ううん…外さない…」 「……なんで…もうおまえは、猫じゃないんだから……」 「……猫だから、付けてるんじゃないし……」 彼が、「じゃあ、なんで……」と、チョーカーのそばにちゅっと口づける。 「……レオンが、僕に初めて買ってくれたのだから……」 「……バカ…もっといいの、買ってやるから……」 首筋を、柔らかく優しい舌がなぞる。 「……ん…これが、いいんだもん……」 「……じゃあ、今だけ外させろ……」 這い上がった舌が、耳の付け根をぴちゃりと舐める。 「……どうして…?」 「……キス、しにくいだろ……」 指の先でチョーカーを引っかけるようにして持ち上げると、結び目が緩んでスルッと外れた。 「……首に、俺の跡が残るほど、キスしたい……」 唇を付けて、吸って、 「……もっと、付けてやる……」 キスした跡を舌先でツーっと触れられて、肌がぞくりと粟立った……。
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