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2章 No.1ホスト流の、飼い猫の躾け方
ーー目を覚ますと、ベッド脇の閉められたカーテンの隙間から、明るい光が漏れ出していた。
「……今、何時くらいなんだろう……」
傍らでは、自分の身体を抱えた彼がまだ眠っていて、安らかな寝息を立てていた。
後ろを向いていたのを、腰をよじって顔を突き合わせてみる。
きつく見える眼差しが閉じられていると、薄く引き結ばれた唇と通った鼻筋に、伏せられた睫毛がけぶるようで、すごく格好いい人だなと感じた。
でも、目があくとちょっと恐いんだよね……そう思ってクスリと笑うと、
「……ん?」
と、目蓋が開かれた。
「あ…」
向き合っていたこともあって、真近に鋭い目つきで見つめられる羽目にもなって、ビクッとした。
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