3章 猫とホストの、苦くて甘い恋事情

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3章 猫とホストの、苦くて甘い恋事情

ーー夜は同じベッドで寝て、夕方ぐらいになるとレオンは起きて、お店に出て行く。 せめて住まわせてもらってるお返しが何かしたくて、彼が起き出す前にごはんを作ろうとしたこともあったけれど、 「おまえは、なんにもしないでいいから。ただ、おとなしく俺のそばにいればいい。それに、仕事の前には飯は食わないって言っただろ」 そう言われて、 「……それよりおまえは猫なんだから、俺が出かけるまでは一緒に寝てろよ」 と、ベッドの中で抱かれて眠るのが、毎日の当たり前になった。だけど、それはただ一緒に眠るだけで、それ以上の関係になるようなことは決してなかった。 レオンはなぜかいつもキスまでしかしなくて、その先を求めてくるようなこともなく、僕に何をさせるわけでもなかった。 『何もせずそばにいればいい』とは言われていたけれど、彼が食事をするのを一度も見たことがないのもあって、やっぱり少し心配にもなって、 「……ねぇ、レオン。いつも何食べてるの?」 一度、聞いてみたことがあった。 「……食事は、店でしてるから。適当につまみとか食ってる。あと客とアフターで食べに行くことも多いし。だから、別に心配すんな」 そう食事に興味のない素振りで答えられて、料理くらいは彼に作って恩返しがしたかったのに、自分には何もしてあげられることがないのが、ちょっと寂しくも感じられるみたいだった……。
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