Rental Wife

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 その言葉に僕は強く頷き、玲のパジャマのボタンに手をかける。一つ一つゆっくりと丁寧に外していくと、玲の大きく綺麗な形の胸が顕になる。玲は恥ずかしいのか、両手で顔を覆う。僕はその手をそっと掴み、顔の前からのける。そして、ズボンとショーツも脱がし、舌先で優しく玲の体を愛撫した。  玲の体は敏感に反応し、柔らかな唇の隙間から喘ぎ声が漏れる。玲の体は僕を受け入れる準備をもう十分に整えていた。 「いいかい?」  僕が確認すると、玲は黙って頷いた。僕は少しずつゆっくりと玲の中に入ってゆく。すぐに信じられないくらいの強い快感に全身が包まれる。僕はあっという間に玲の中で果て、そのまま眠りについた。  一ヶ月も経つと、玲との生活にも慣れた。玲は良妻ぶりを遺憾なく発揮してくれる。僕たちの結婚生活は順風満帆だった。  だけど、ときどき僕はふと我に返るときがある。僕と玲の結婚生活は百日限定なのだ。百日経てば、玲は僕の元から去ってゆく。毎日何回も“愛してる”と僕に伝えてくれるが、それも契約による彼女の仕事に過ぎない。きっと、彼女は僕のことなど本当は愛してなどいない。僕は偽りの愛を金で買っているに過ぎないのだ。そう思うと無性に悲しく、虚しくなって、涙が零れそうになる。  それでも、僕は玲との結婚生活の幸せを満喫するために、週末毎に二人で小旅行に出かける。きっと、この百日間は、僕の人生でたった一回の結婚生活になる。だから、少しでも多くの思い出を残しておきたいのだ。     
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