Rental Wife

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「契約の最低日数は三十日、上限は百日間となっております。ただし、女性に対して暴力行為があった場合には即時に強制離婚、かつ違約金が発生しますのでご注意ください。また、不慮の事故等で女性が死亡した場合でも、残日数分の返金はいたしません。その場合は、葬儀費用も自己負担となりますのでご了承ください」 「わかりました」 「それでは、早速カタログをご覧ください」  坂井はそう言うと、カタログを差し出す。  カタログをペラペラと捲ってみると、一ページごとに女性の写真とプロフィールが掲載されている。女性のランクは容姿と年齢、特技などを総合的に考慮して付けられているようだ。僕はペラペラとページを捲っていく。そして、十枚ほど捲ったところで、僕は手を止めた。 「この方は?」 「橋本(はしもと)(れい)さんですね。素敵な女性ですよ、美人ですし、スタイルも抜群。料理が得意で、優しい性格の持ち主です」  坂井の説明に僕は頷く。僕が最初に目を引かれたのは、その美しい顔立ちだ。くっきりとした二重の瞼に、スラリと通った鼻筋。どこか西洋の雰囲気が漂うその顔立ちは、僕の理想を絵に描いたようだ。僕は殆ど一目惚れのように玲の写真に釘付けになった。  玲のランクはA、一日五万円の最高ランクだ。玲をレンタルするには、最低百五十万円が必要だ。最大の百日間ということになれば、五百万円が必要となる。改めて考えてみても、やはり決して安いものではない。     
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