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誰もいない空き教室。
長谷部くんは私を椅子に座らせ、自分も向かい側に座った。
俯いて涙を流す私の頭を、長谷部くんは先程からずっと撫でてくれている。
「あいつといて、坂梨さんは幸せ?
辛いだけじゃないの?」
優しい声音。
晃とは真反対だ。
「辛い……けど、好きだから」
好きだから、離れたくない。
これからもずっと、晃のそばにいたい、となりにいたい。
晃のとなりにいるのが他の女の子だと、どうしようもなく苦しくなる。
それなら、意地悪されてもいいから、私は晃のそばにいたいと思うの。
きっとこんな私のことを、長谷部くんは呆れることだろう。
馬鹿な奴だって、思われるかもしれない。
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