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五年前の私は、仕事も結婚も恋愛もすべて失敗して借金もあるロクデナシでした。
気まぐれで応募した会社になぜか採用され、安月給でしたが生きのびることが叶い、その職場で妻と出会いました。
といっても妻は当時二十五歳にしてすでに編集長の右腕的存在として活躍していましたので新人の私などと深く話す機会はありません。
さらに私はまた失敗ばかりする冴えない新人でしたので、半年も経てば窓際族に追いやられました。
うずたかく積み上げられた資料や冊子に隠れて、片面を刷り損なったコピー用紙を四つ切りにしてメモ用紙を作成するとかの小学生が遊び半分でしそうな作業を繰り返して暇を潰す毎日でした。
誰かが給料泥棒とささやく声に胃がきりきりと痛みましたが、こういう目に何度となく遭遇してきた人生でした。
私は毎晩のように酒におぼれ、翌朝は遅刻する毎日を送りました。
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