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「もう一度、いいですか。まさか、マミムメモのミじゃないでしょうね」
と彼女は最後の通告をした。今さらごまかしようがない。胸にもやもやした気持ちを抱えたまま、僕は肯いた。
「そうです…ミです」
「ミ? この私が、ミですって?」
女性は顔を紅潮させ、唇は怒りで震え、目はうっすら涙ぐんでさえいる。
「女性に向かっておまえはミだなんて、よくもまあ言えたものですね」
「すいません…」
謝罪の言葉が勝手に口から漏れた。正直、申し訳ないという気持ちはさほどなかった。僕は僕なりに彼女の質問に答えただけだ。ただ、もうこの状況をさっさと終わらせたかった。
「あなた最低よ! あんたと同じ電車なんか乗りたくもないわ!」
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