作者は主人公じゃない(保険)

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小さい頃から――少なからず、小学生の頃には、過激防衛が罪になることに疑問を抱いていたさ。 先にやった方が悪いだろう、後にいくら仕返しされようが文句のつけようがないだろ。 ずっとそう思っていた。今もそう信じて疑ってない。 もちろん、俺が正義に目覚めた理由はこんなことじゃない。 十年前に両親が殺されたからだ。 二人は良い人たちだったよ。俺がやりたいことを頭から否定しなかった。論理的な人たちだった。 人から恨まれるような人じゃあなかった。 だから当然、殺される動機なんてものはない。酔っ払いに轢かれた。 許せなかった。 だから、俺は死刑にして欲しかったよそいつのことは。でも、なんだあの裁判官は。精神が不安定だからとかなんだからで懲役五年だと? 笑わせるな。そんなやつが車を運転した時点で死刑でいい。なんだ、賄賂か? 女か? 法の精神か? どれにしたってありえない判決だ。国が掲げる正義ってのは、どうにも俺とズレてるらしい。 2人を殺すのに時間はかかったが、殺す決心をするのに、時間はかからなかった。 今でも覚えているよ。あいつの断末魔を。ナイフにこびりついた血の色を。 何より興奮が止まらなかった。自分が正義のヒーローになった。力が手に入った気がした。俺が生まれてきた理由がわかった気がした。もっと人のために正義を振りかざしたくなった。 そんな理由があって、俺は復讐屋「100当番」を営み始めた。
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