100当番

作者は主人公じゃない(保険)

かれこれ7とか8年くらいこれで稼いできた。30人くらい殺してきただろうか。それよりもっと上かもしれないし、下かもしれない。前の職場よりかは充実した日々を送っている。これだけは間違いないはずだ。

110なんか、クソだ。ゴミだ。悪だ。100当番が正しい。間違っていない。正義だ。精神が参っているやつなんか殺してしまってかまわないだろう。人に被害を被らせたやつらがどんな目にあっても仕方ないだろう。なぜ真面目に生きていたやつらが、死んでも文句を言われないようなやつらに足を引っ張られなきゃならないんだ。なぜ裁くのは被害者ではなく第三者なのだ。おかしい。おかしい。狂っている。この国は昔から変わってない。偉そうなやつらが偉そうに命令する。偉そうなやつらに偉くなさそうなやつらが媚びる。媚びたやつらが偉そうなやつらになる。

これの繰り返しだ。

やってることが道長とこれっぽっちも変わっていない。

だから、真面目に生きてきたやつらに「復讐」という名目で、判決を下せるようにするために俺がいる。

110より、もっと心身に願いを叶えるのが100当番である俺の仕事なのだ。

法が俺たちの意見を聞き入れないなら、俺たちが裁くしかない。

などとボサッと考えながら運転していると、病院に到着していた。