屋上にて

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 太陽の温度を受け、少し温かくなったコンクリートに寝転がる。目の前に広がる空は雲一つ無い真っ青で、瞬きせずに見ているとそこに向かって落ちていきそうだ。  今の時間、ここ――屋上は人の気配は無く俺専用。思う存分世界に浸れる。……世界に浸って消えてしまいたい。  ぷち、と息苦しかった学ランのボタンを外した。呼吸しやすくなる。  男子校で、恋した相手は男子。  そんな女が読んでるマンガみたいな展開、信じていなかった。そしてまさかの主人公は俺。いつの間にか、隣の席のあいつを好きになっていた。休憩中に一人本を読んでる変わり者。でも、睫毛が頬に落とす影に、きゅっと引き結ばれた唇に目を奪われた。気付けばあいつの事を考えていて、こっちを見てくれないかなとか思ったりしていた。  恋って、こんなに苦しくて熱いものなんだ。  でもマンガのように認められないのが現実。この想いがばれれば、きっとあいつも俺を避けていくだろう。だけど……  ごぉぉぉぉっ  微かな音を立て、青に一本の白い線が走る。突然現れた色に、俺の意識は引き戻された。  煌めく機体は、青を切り開いて進んで行く。  たったそれだけで俺の心は決まった。  想いを伝えよう。別々の道を進んで行く前に。気持ち悪がられても、今なら笑って過ごせる気がした。  だって、空がどこまでも青く、飛行機雲がとても新鮮に見えたから、今日は絶好の告白日和。  
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