16703人が本棚に入れています
本棚に追加
/947ページ
水落は『特捜部のエースと聞いてイメージする人物像から大きく外れている』と。
それは意外性があり、インパクトがあり、忘れられないほどの強い印象を残すと。
それを『他の人とは違う』、『新鮮だと思う』と。
『水落さんからしかその新鮮さが得られないなら、特別視することもあるだろうという話です』
俺からしか新鮮さが感じられないなら特別視する?
なるほど、と思った。
つまりは水落が個性的だと言いたいのだろう。個性が際立っているということはすなわち、唯一無二の存在、他にいないとなる。
稀少性がある。『この人しかいない』と思わせる理由にはなり得る。
理屈は合っている。いつも『じゃあこれは何でこうなの?』とか『それはおかしい。ここが矛盾してるじゃん』などと相手の理論をつつくのだが、これに関しては一切思わなかった。納得できた。
そればかりでなく、麻木はこうも言った。
『自分が努力することで相手に愛情をもらいたいと思うこともあるでしょう。努力できる部分はすればいいし、それによって相手が喜んでくれたらそれは素晴らしい相乗効果だと思いますが、無理をしても意味はないでしょう』
『無理をする関係は続かないし、そもそもそれを相手は望んでいますか? 水落さんを好きな人ならそんなキャラクターに合わないことをしても喜ばないでしょう。自分らしさを持ち続けたほうが魅力を生かせるのでは?』
最初のコメントを投稿しよう!