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「実は先日のパーティに私も参加していたんですが、偶然宝来さんとお会いしていたんですよ。知り合いの弁護士と一緒にいらしていたので。その時に、男なのに随分美人だな、と驚きました」
倉知と知り合いだったのか。弁護士同士なら知人であってもおかしくない。その時たまたま傍に宝来がいた。なるほど。
「確かに綺麗だね。男にもモテるみたいだよ。黒羽さんも好みなの?」
「男は流石に。…と言いたいところですけど、あれほどならぐらつきますね」
逆に鎌をかけたらあっさり認めて逆に引く。
はあ? ぐらつくって何。待ってよ。やめてよ。ゲイじゃなくても抱けるってこと?
いやいや、それも作戦。誘導作戦。そう疑わせることで反対にこっちの反応を窺おうとしている。
「水落さんはどうですか? 女性にはモテるでしょうけど、彼のような美人は?」
ほらきた。
「男は流石に。…と言いたいところだけど、確かにハードルは低いよね」
「試してみたくなりませんか?」
「そうだね。男同士っていいのかな? どう思う?」
探られる時は逆に質問する。質問された側が答えを考え始めるため、こちらへの注意をそらすことができる。
するとその意図を感じ取ったのか否か、黒羽は苦笑した。思わせぶりに微笑む。
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