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 遊園地といえば観覧車というイメージがあった。だが調べてみると、実は観覧車自体ある遊園地はそう多くなく、あったとしても子供用とか小規模なもので、大観覧車ではないのだった。  景色を望むライトアップされた観覧車となると横浜がメジャーで、そしてあの因縁のみなとみらいになってしまうので遠慮したくなったが、場所そのものに恨みがあるわけではないから、因縁を払拭すべくそこに決めた。  今回で楽しい思い出に変えてしまえばいい。鬼門にしても意味がない。  実は以前一度家族で旅行中、フロリダの有名な遊園地に立ち寄ろうかという話になったのだが、両親が行きたくなさそうなのでやめた。  普通は親が子供の行きたがる施設に付き合ってくれるものだろうということは知っている。だが宝来の親は高齢だった。遅まきながらやっとできた子供だったので仕方ない。そして母は病弱だった。だから絶叫マシンなどの過激な乗り物が多い遊園地には行けず終いだった。それだけでなく、激しいスポーツも当然できなかった。だからゴルフとか乗馬とか年輩者でもやりやすいスポーツを嗜む程度だった。
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