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うん、運命は信じてるけど、占いとか風習とかそっち系は信じてない。
あれ、最近こんな会話したな。
誰とだっけ?
「びっくりしたからつい話しかけちゃってね。名前を確認したらやっぱりその子だった。向こうも僕のことが記憶にあったようで、快く対応してくれて嬉しかったよ」
「まさかそれでお別れ? また会おうとか、連絡先交換しなかったの?」
「名刺交換してもらったよ。今彼も秘書をしているんだって。といっても議員秘書じゃなく、弁護士秘書」
「弁護士秘書?」
「そう。山井弁護士事務所ってところにいるみたいだ」
…何だって?
そこで水落の表情が固まったので、星名は不思議がる。
「水落、その事務所知ってるの?」
「知ってるも何も…」
黒羽の事務所じゃないか。
もしかして、そこにいる噂の美人が、星名の幼馴染み?
『気になりますか? いわく付きですけどね』
『水落さんは占いや風習などを信じますか?』
そういうことか。
風習のため女の子の恰好をさせられていた子だからこそ、黒羽はああいう言い回しをした。
つまり、間接的にこっちがそこまで調べているかどうか探りを入れたのだろう。
そして秘書までは調べていないと気づいた。
なるほどね。
やはり手強い男だ。
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