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「星くん、その子と今後会うつもり?」
「今度改めて会いたいと申し出て、既に会ったよ。我が家にも来てもらった。母や妹とも交流があったから、みんなで団らんできたよ」
「これを機に親しくなりたい?」
「そうなればいいけどね」
その子はやめたほうがいい。
そう言いかけて、何故そんな思考になるのか、と自分を咎めた。
星名が誰と親しくなろうが彼の自由。止める権利はない。黒羽が水落と敵対関係にあるからといって、星名は無関係。やっと長い歳月を経て再会した思い出の少年と親交を深めたいと思うのは当然のこと。
「あのさ、星くんはその子とどうなりたいの?」
「どうって?」
「恋人として付き合いたいとか?」
「男同士で恋人? 考えたこともなかったよ」
「あーそう」
「ねえ、水落ってやっぱり…」
綺麗な男の子と付き合ってる?
つまり恋人って宝来くんのこと?
などというつっこみが今にもきそうだったのでわざと話題を変える。
「でも俺さ、運命は信じてるんだよね」
その言葉に星名はそれ以上掘り下げず、柔らかく微笑んだ。
「水落は意外にロマンチストなんだね」
END.
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