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「何で言い切れるんだよ? 王子様みたいだから? いいとこのボンボンだから? 金持ちだからって全員育ちがいいわけじゃねえよ。あの土井本の馬鹿息子見ろよ。ガキん時から悪さばっかりしでかして、小父さんの時代から苦労させられっぱなしだろうが。つまり、金持ちでもいい歳して未だに暴力沙汰を起こすやつはいる。ボンボンイコール上品なお坊ちゃまってわけじゃねえんだよ」
確かに土井本のパターンはたまにある。親に過剰に甘やかされ、まったく躾ができておらず、権力者の親のせいで周囲も注意できないため傲慢な人間に育ち、たびたび問題を起こすというパターン。
でも、星名は違う。
「星名さんは立派に公設秘書になって、知的で物腰も穏やかで、全然違うよ。あんな粗暴で脳味噌イカレたドラ息子と一緒にしないで」
「あー確かにあの男は上品な令息って感じだったな。俺らとは世界が違う。で、『脳味噌イカレたドラ息子』とか毒舌吐いてるおまえはその王子様に見合ってんのか?」
え…。
そこで『見合っているか』と問われ、硬直してしまう。
「どうせこれからまた付き合い始めるんだろうけど、向こうはおまえのそのしおらしく見える美少年ヅラと子供の時の無邪気かつ無垢なイメージのままってことだろ? 今のおまえは知らないんだろ?」
「今のおまえって何?」
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