リンケージ３

３

　というか、普段もそこまでオープンに悪口を言うことはない。ここの人間は気心が知れているから遠慮なく口にできているだけのことで。通常は人前で猫被ってやってこられている。
　今のところまだメールでのやりとりだから本性は出にくいし、大丈夫。
　明後日に会う約束となっているから、その場も何とか乗り切りたい。
「ていうかイメージダウンうんぬんはともかくとしてさ、ミコちゃんはユキくんとどうなりたいの？」
　そこで冷静に鳥海からつっこまれて戸惑う。
「どうって…？」
「お友達的な付き合い？　でも向こうが実はゲイで、ミコちゃんを狙ってきたらどうすんの？」
「そんなことはありえません」
「何でないって言えるの？　だって長年会ってなかったんでしょ？　昔は普通でも今はどうなってるかわかんないんじゃない？　実は男もイケるかもよ？」
「じゃあ…僕と親交をしようっていうのも、下心があるっていうことですか？」
「わかんないけどさ、一応その覚悟もしといたほうがいいんじゃないの。俺ら普通の男ならそういうことってないけど、ミコちゃんは可愛いし。男から狙われやすいしさ」
　鳥海は祐嗣のように嫌がらせで言うのではなく、心配してそう言ってくれているのだろう。今までの尊の身に起きたことを鑑みても、決して過剰な警戒だとは思わない。