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「超美人な男でも?」
「あー…オネエでも女より綺麗な子いるもんね。ミコちゃんもそうだし…」
え、待ってくれ。オネエと同じ括りにされると途端に納得できなくなるのだが。
「実際チャレンジしたことないからわかんないけど、まあそれくらい美人ならできるかも。でも余程のことでもない限り、無理に男を抱こうとは思わないかな…」
「余程っていうのは?」
尊が追及すると鳥海は苦笑する。
「うーん…酒飲んで酔った勢い、とか? そういう普通じゃない状態でもないとできないんじゃない?」
それはそうだ。そういう感覚が一般的だと思う。恋愛及び性的対象でない相手と寝てしまった、というケースは大概酒を飲んだ時が多いはずだ。素面で男を抱く気にはなれない。
「だから僕も酒の場で絡まれやすいんでしょうね」
「それもあるかもね。あ、じゃあさ、祐嗣はどう? 男でも美人ならOK?」
OKと言っていた。先日のパーティでお嬢様風の男に対し、抱けると豪語していたくらいだから。
「美人度合いによるだろ」
「えーそうなんだ! じゃあミコちゃんレベルならどう?」
そいつは無理。抱けるわけねえだろ、という呆れた即答がつくものと思っていた。
でも祐嗣はこちらをちらと一瞥し、淡々と言った。
「可能か不可能かで言ったら、可能だろうな」
…は?
予想外の、とんでもない回答に場が凍った。
するとそれを見越していたように祐嗣が不敵に笑む。
「って言われたら出て行きたくなったか?」
「……」
やはりそれが言いたかったのか。
本気にしそうになって焦った尊はふて腐れ、ご飯のおかわりを野沢に注文した。
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