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「じゃあ普通に女の子が好きなの?」 「はい」 「今彼女はいるの?」 「いません」 「それなら梨紗だって彼氏がいないじゃないの。ミコちゃんはどうなの?」  と、いきなりそこで星名の母が尊と梨紗の仲を取り持とうとしたのでぎょっとする。  そうか。同年代の幼馴染みだった男女二人が再会すれば、当然そういう流れもあり得るのか。 「え、無理よ。自分より可愛い彼氏はありえないじゃない」  撃沈。  即答で断られてしまった。  まあ、いつもこんなものだ。慣れている。女性にモテたことなんてない。男として見られない。 「うーん。確かに尊くんは梨紗の好みのタイプとはちょっと違うかな」  フォローするつもりか星名が補足したので、尊も話題の矛先を変えるべく乗っかった。 「梨紗さんの好きな男性のタイプはどんな人ですか?」 「普通の人は嫌なの。ぼーっとしたボンボンも駄目。つまらないから。美形で、仕事ができて、高学歴のエリートなんだけど型にはまっていないような、ちょっと悪そうで危険な香りのする人がいいわ」  ちょっと待て。理想が高すぎるだろ。そんなやつどこにいる? 高学歴のエリートは大概がボンボンで、勉強しかできなくて、ぼーっとしたやつが多いだろ。ちょっと悪そうって、不良とかヤンキーとかチンピラしかいないだろ。
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