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 やはり自分はずるい。  今みたいに『気にしないで。僕は平気だから』と言ってもらうのを待っている。  ひねくれた自分も受け入れてもらおうとしている。  結局、星名のイメージを保とうとしていない。できていない。 「そうかな? 全然ひねくれているようには見えないけど」 「でも実は…セクハラしてくるクライアントのことを心の中で詰ってしまったりしていて…」 「セクハラなんて最悪じゃないか。それは心の中だけじゃなく本人に対して直接詰ってもいいくらいだよ」 「だけどそんなしおらしくない僕は、イメージと違いませんか?」 「男の君にしおらしさなんて求めていないよ」  え、そうなのか? 純真無垢なミコちゃんでいてほしいんじゃないのか? 「だって、もう忘れているのかもしれないけど、君は子供の時結構やんちゃだったよ。そんなしおらしいタイプじゃなかった。泥まみれになって外で遊んでたじゃないか」  言われてみて、そういえばそうだったな、と思い当たる。少なくともインドアな子供ではなかった。ままごとやお姫様ごっこも嫌がって抜けていたくらいだったから。 「そんな大胆な君だからこそ、当時僕に『髪を切って』なんて、とんでもないお願いをしてきたんでしょ?」 「…そういえば、そうですよね…」
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