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「それに僕は、君どころじゃなくひねくれてるとか毒舌の友人もいるから、そういうタイプに対してまったく嫌悪感はないよ」
「え、そうなんですか?」
「うん。むしろ辛口なくらいが爽快でいいと思う。自分が言えないから憧れるのもあるかな」
そうなのか。そうだったのか。
ひねくれても、毒舌でも受け入れてくれるのか。
本当に神様みたいに寛大な人なんだな。
良かった。心底ほっとした。
それなら無理に自分を取り繕う必要はないということか。だったら有り難い。
いやでも、だからといってそのまんまの素を出していいというわけではないだろう。調子に乗って過剰にならないように気を遣う必要はあるはず。
「だから何でも遠慮せずに言ってくれていいんだよ。その最悪な弁護士の話も気になるから、良かったら聞かせてくれないかな?」
微笑んで悪口を歓迎されても。
戸惑うが、しかし星名が聞きたがる話をしないわけにもいかない。むしろ提供したのは尊のほうなのだから。
「…実は、本気で嫌ってるわけじゃないんですけど…。でも向こうに嫌われているせいで、常にグチグチといびられて…今も山井の家を出て行けと言われています」
「出て行け? 家主はその山井弁護士じゃないの?」
「さっき言ったように小父さんは病気のため退いていますし、実質的な経営は今彼…祐嗣が担っています。そして自他ともに認める次期後継者です」
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