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全ての願いを叶える者
ヨーロッパのイングランドにあるグレートブリテン島のとある丘に教会がある。その教会にはある噂がある。外国人が神父をしているとか、心に傷を負った者が訪れると願いが叶うというものである。
俺、雑誌記者のボリス・ストライドは今その教会へ向け、歩いている。うちの会社はマイナーでブラックだ。無理矢理、特集を組まされ、面白くなければクビだと言われた。あのクズ上司め。突然振ってきてそれかよ。くそっ。
悪態をつきながらも教会の前に着く。
息を整えながらペンとメモ帳があるか再度確認する。
ボリス「ここが…」
すぐに入らず、写真を撮る為にカメラを出し、撮る。教会や周りの風景を撮りながら特集にここを選んだ理由を思い返す。
聞き込みをした際に気になったのはその聞いた人物だ。分かりやすいように2種類いた。満足しているやつと頭がおかしくなっているやつだ。
満足しているやつは嬉々として「あの神父は素晴らしい!悩みが無くなった!救われた!」と狂信者のように言う。
頭がおかしくなっているやつは会話にならない。ぶつぶつと独り言を支離滅裂に喋っている。ただ気になるワードが共通している。「悪魔」と。
仮にも記者の端くれだ。
好奇心がかなり刺激される案件だと強く感じる。
まぁ、ただそれだけではない。記者としてだけでなく、俺個人としても気になる。自分自身も色々と問題を抱えているからだ。
会社の事や別れた彼女の事、借金など問題が山積みだ。
もし噂が本当なら、是非とも何とかして貰いたいものだ。
…さてと……そろそろご対面といこうか…
せめて、メシ代の足しにはなってくれよ。
教会の大きな扉を開ける。
中は他の教会とほとんど変わらない。
長椅子がいくつかあり、奥に教壇がある。全体的に手入れがされているみたいで、埃1つも見られない。
中に1人の神父姿の男がいる。
東洋人の若い男だ。顔が綺麗で整っており、穏やかな笑顔をしている。安心出来る温かい雰囲気を纏っている。
だが、人間不信の俺からすれば…少し恐怖を感じる。こういう人当たりの良い人間程、本性が恐ろしいと。今までの人生を振り返って思う。
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