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オレと目が合った楓香とローズ。
だが、オレやエミに特に何かを言うわけでもなく、何事もなかったように密談を再開する。
しかし、彼女たちの顔は先程までの明るいものとは異なり、表情が真剣。
なんとなく不穏な空気を感じたオレは、抱きついてきているエミと距離を置くことにした。
「エミ、ありがとう」
「もうお終い?」
名残惜しそうにしながらも、エミはオレから離れる。
すると、彼女は楓香たちに呼ばれた。
内心ドキドキである。
オレのせいでエミが何か言われたら…と思うと、彼女から目を離すことができない。
だが、それは杞憂に終わった。
最初は何やら質問をされていたようだが、その後は3人で話を始める。
相変わらず、オレには内緒のようだが、表情からして皆楽しそうであった。
「ねぇ、私もあっちに行ってくるわねん」
カーマはオレとケンケンにそう告げるとフワフワと浮きながら彼女たちの元へと向かって行った。
が、すぐに帰ってくる…。
「どうした?」
「あっちに行けってローズに言われたからよん。
ねぇ、どうして私だけ仲間外れなの?」
「男だからじゃね?」
「お喋りだからな」
オレとケンケンが同時に答える。
カーマは何も言い返してこなかった。
「まぁ、たまには男同士で語り合うのもありなんじゃねぇですか?」
「何言ってるのん?
私、心は永遠の乙女よん」
とりあえず、カーマの戯言はスルーして、何か話題がないか?とオレは考える。
「あ、そうや。
なぁ、なんでオレって魔法使われへんの?
前にアリシアが「魔人の魔」は「魔法の魔」って言っても過言じゃない、とか言ってたような気がすんねんけど…」
「いやいや、マスター。
ローズ介して能力補正とかしてるじゃねぇですか…」
「え?
あれって魔法なん?」
「違うんですかい?」
「いや、知らん…」
「でも、それってダーリンがローズを装備してる時だけでしょ?
普通だったら、何も装備してなくても魔法が使えるはずなのよね…」
「確かに言われてみりゃ、そうだな…」
「それに、ダーリンって、魔力は感じるけど、属性を感じられないのよね。
何か特殊な属性なのかしら…」
はい、来た!
今までスルーしてきたけど、定番の属性やっぱあるんや!
「なぁ、カーマ。
ちなみに楓香の属性は?」
「プリンセスちゃんの属性は風・土・水・火。
基本的には何でもできるわよん」
そっか…。
楓香も、まぁまぁチートやな…。
てか、ひょっとしたら、オレもいつか、魔法でバーンみたいな事できる可能性出てきたやん。
いざって時の為に、なんかカッコいい名前考えとこ。
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