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「まあまあ…、鎧もそないに怒らんでもええやん。
二人とも仲良くしようや」
「しかし、ご主人様!
……
かしこまりました…」
鎧の声から察するに、渋々怒りを鎮めてくれたようだ。
最強装備らしいこの鎧と剣。
どうやら、鎧が主導権を握ったようだ。
「そこの駄剣、ご主人様がそう仰るので、今回の非礼に関しては水に流してあげましょう。
ただし、ご主人様に対する態度が改善されない時は…。
わかっていますね?」
「はい!
もちろんです!
すみませんでした!」
なんだこのやり取り…。
それにしても、生物ではないモノでも、それらに意思…厳密に言えば、人間と同じような高度な知能が備わっているのであれば、人と同じように接してしまうのは不思議なものである。
「なぁ、鎧と剣に聞きたいことあるんやけど、ええかな?」
「はい、なんなりと」
「もちろんオッケーですぜ、マスター」
「自分ら、名前あんの?」
「いえ。
我々に名前はございません」
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