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「ほな、名前も付けたことやし、とりあえず食料調達やな。
てか、小屋に食料が何もないとか、まあまあ結構な死活問題やし…」
「お!
ゴブリン狩りですかい?マスター」
「それは却下。
どっか近くに町か村があったら、そこで買もんする」
「でも、お兄ちゃん。
買物するって言っても、私たちお金持ってないよ」
「え?
…ホンマや!
そういえば、財布とかスマホとか家の鍵とかどこいったん!」
「小屋を出る前に部屋を隅々まで確認したけど、私たちの私物は何も無かったよ。
それで、あったのはこれだけ。
だから、一応持ってきたよ」
そう言って楓香は二枚の紙をスカートのポケットから取り出す。
それは、謎の人物からのメモと説明書であった。
あ!それで思い出した。
「なぁ、ローズ。
謎の人物…、えーっと…、ローズで言うところの「あのお方」やったっけ?
なんで楓香の名前知ってんの?」
「私も詳しい経緯は全く存じ上げておりませんが、ただ、あのお方は、初めからご主人様と妹君のことを知っておられました」
「そうなんや…、めっちゃ謎やな…」
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