14 ドワーフの町

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スケジュールについてだが、帝国の誕生は来週の木曜日、昼の12時に決まった。 会議は長引き、もう異世界生活12日目の木曜日になってしまっている。 ここからの1週間は準備期間のためにある。 まず明日…ではなく今日から順次、各町において国家としての独立及び帝国領となる旨を公布する。 アリシアには、明日にもフィンクローフを発たせることにしている。 彼女をガウィンディに戻らせるのは、エルフ族独立の準備をさせるためであり、オレたちとは別行動だ。 その代わりに、護衛としてシルヴィアとその部下である数名の兵を同行させることにしている。 ドワーフたちには国旗、国璽(こくじ)、御璽(ぎょじ)など、これから誕生する帝国にとって必要な物の作成に当たってもらう。 ナウード砦にはヴォルテルとサンドラを責任者とし、ドワーフ兵も配置する。 シルヴィアは信用しても良いと思うが、彼女の部下に関してはその限りではない。 シルヴィア不在時に謀反を起こす可能性も考えられるので、何かあった場合は処刑しても構わないという事を伝えてある。 そもそも、オレたち魔人は人間に対して情が薄い、というよりも、持っていないと言っても過言ではない。 そう考えると、シルヴィアは不思議な女性である。 オレ、楓香、エミはナウード砦から整備された街道を南下し、リベラを経由して東を目指す。 街道沿いの町や村の視察、場合によっては制圧の為である。 また、大陸の東には4将軍の一人とされるラルフ・クラウゼヴィッツという人物がいる。 島を統一するにあたっては、放置できない人間である。 シルヴィアという人間に出会うことがなければ、何も考えずに彼を討伐して終わるのだろうが、オレは彼に対して少し興味を抱いている。 果たして、彼は敵となるのか?味方となるのか?
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