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「まぁ、ええわ。
なぁ、ローズ。
さっき、黒魔術みたいなことも言ってなかったか?」
「通常、強化ポーションを使用した場合、身体能力は向上致しますが、先ほどの人間のように変身することはございません。
詳しい事はわかり兼ねますが、おそらくは魔術の類であると考えられます」
「ねぇ。
さっきからちょっと疑問に思ってたんだけど、魔術と魔法って何が違うの?」
おう…、今日はオレが聞きたいこと、楓香と被るなぁ…。
さすが、オレの妹。
「その質問には私が答えてあげるわん」
自分の得意分野になると、ここぞとばかりに割り込んで来るカーマ。
「ちゃんとわかりやすく説明してくれよ」
「わかってるわよん、ダーリン。
じゃ、すっごく簡単に説明するわねん。
魔法っていうのは、使用者の魔力量を消費して行使する力なの。
それぞれに適正や属性、私のような媒体が関わることもあるけど、基本的には自分が持っている力を使うもの。
それに対して、魔術っていうのは、天使とか悪魔と契約して、何らかの代償を支払って得た力。
要は、借り物の力ね。
どう?
わかりやすいでしょ?」
ほうほう、おぼろげにわかった気がする。
てか、また、なんやねんな…天使とか悪魔って…。
「ご主人様…。
ほとんどの魔術師が地上にはいないこと、また強化ポーションの希少性。
それらを考慮すると、おそらくシルヴィアの件に関しては問題ないかと…」
あ、そうやった。
元々はシルヴィアが大丈夫なんか?っていう話やったわ…。
てか、ローズのやつ、ちゃんと「シルヴィア」って固有名詞で呼んでるやん。
エルフもそうやけど、ちょっとは打ち解けてきたんか?
「ん?
ちゅうことは何?
その「魔術師協会」って要はその…、天使とか悪魔と契約した集団ってことか?」
「そうだよね。
そういうことになっちゃうよね」
オレが抱いた疑問に楓香が同調する。
「仰る通りでございます。
ですので、余程の事情がない限り、彼らとは関わらない方が吉かと…。
彼らも地上には余り興味がないようでございますし。
それよりも厄介なのは、極少数とはいえ、地上に潜んでいる魔術師でございます」
なんかようわからんけど、そんなヤバそうな連中とはあんまり関わりたくないよね…。
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