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「えっと…ローズさん…。
何ですか…このスケジュール?」
オレはローズに手渡された予定表を見ている。
そこには、大陸へ向かうまでの10日間のスケジュールがびっしりと書かれてあるのだが…。
「魂を獲得するための予定でございます」
「いやいや。
明日から1週間、毎日モンスター退治ってなってるんやけど。
しかも、夜中ばっかり」
「基本的に大半のモンスターは夜行性でございます。
ですので、討伐を目的とするのであれば、群がりやすい夜中が最も効率が良いと思いまして」
「ちゅうか、そんなに魂いるん?
てか、何のモンスターを何匹召喚するつもりやねんな?」
「まず必要となってくるのはイービル・アイでございます。
離れた距離からでも、ご主人様の視覚にその状況を映し出すことができますし、言葉を伝えることも可能でございますので。
こちらに関しては10体もいれば当面は問題ないかと思われます。
次に、トロールを100体ほど。
島の中心に首都を築くための労働力のためです。
仮に怪我をしても再生能力がございますし。
工事の指示に関してはドワーフに任せておけば滞りなく進むでしょう」
「で、それに必要なポイントが、3,000ってか!
めっちゃいるやん!
無理やん!
嫌や!」
オレはわざと駄々をこねてみた。
「大変申し訳ございません。
ご主人様がそれほどまでに負担に感じられるとは考えておりませんでした。
私の配慮が欠けておりました。
何卒、お許し下さい」
「ちょ!!!
待てって!!!」
その場で土下座をしようとしたローズの抱きかかえるようにして制止した。
「…あの…ご主人様…」
「ごめん…。
冗談…っていうか、たまにはローズの意見に反対してみたらどうなるかなぁって思ったオレが悪いねん。
ホンマに嫌とかちゃうから、な。
だから、そんなんやめてくれよ。
てか、謝らなアカンのはこっちなんやし」
「…本当…良かった…。
ご主人様に嫌われたらどうしようかと思いまして…」
とりあえずは、何とかローズを落ち着かせ、話の続きを聞くことにした。
どうやら、召喚に必要なポイントは、そのモンスターが通常持っている魂の大きさの10倍必要になるらしい。
トロールが、2×100体×10倍=2,000
イービル・アイが、10×10体×10倍=1,000
というのが、内訳らしい。
「まぁ、それはええとして、水どうすんねん?
草原のど真ん中やで?」
「水に件については、妹君の力をお借りしたいと考えております。
草原で工事を進めている間に、巨大なクリスタルの作成をドワーフに依頼する予定です。
それが完成次第、水を発生させる魔法効果がある魔力を注ぎ込んで頂こうかと。
ただ、これは一時的な手段でございますが」
「一時的?」
「はい。
将来的には、水を発生させることができる存在を従えるということでございます。
最も適しているのは、水を司る四大精霊の1体、ウンディーネかと」
あ、なるほどね!
って、ついに精霊まで会話の中で普通に出てきてもうてるやん…。
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