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「丁度この辺がええんちゃう?」
オレたちはシエルスから南下し、以前に何度か訪れた草原の真ん中にある十字路に来ていた。
「そうだね。
ここからなら回り道しなくてもどこでも行けそうだしね」
「では、ここに首都を建設するということでよろしいでしょうか?」
「おう、ここにしよ」
オレと楓香、ローズの3人でそんな会話をしていると、背後から声が聞こえた。
「へぇ~、ここに首都作るんだぁ」
「せやで…って、また出たなチビっ子!」
「だ~か~ら~、アンタいい加減もうちょっとマシな呼び方しなさいよ。
私、神様なんだから」
全く気配を感じさせずに突然現れるチビっ子神様。
だが、それにも慣れつつある自分がここにいる。
「って言われても、名前知らんし」
「悪いけど名前は教えられない。
だって、名前を教えちゃうとアンタと結婚しないといけなくなるし」
「は?
なんなん?
なんか…よくありがちな設定してんな、お前」
「うるさい!
とにかく、そういう理由だから、もうチビっ子でいいわよ」
「にしても、最近出現する頻度高いな。
よっぽど暇してんねんな」
「まぁね。
とりあえずは、ここに首都を建設するんだね。
それだけ確認したかっただけ。
じゃね!」
「あの、魔神様!」
「ん?
どうしたの、ローズ?」
「実は先日頂いた召喚書についてなんですが」
「なにか問題でもあった?」
「滅相もございません。
ですが、召喚ポイントを獲得するには、この島では時間がかかり過ぎてしまうのでございます」
「あ、なるほどね。
それで、あと何ポイント位必要なの?」
「とりあえずは3,000ポイントを考えております」
「3,000ねぇ…。
あ!
いい事思いついちゃった!
私に任せて」
魔神はそういうと、少し意地悪そうな笑みを浮かべた。
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