20 帝国誕生

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「丁度この辺がええんちゃう?」 オレたちはシエルスから南下し、以前に何度か訪れた草原の真ん中にある十字路に来ていた。 「そうだね。 ここからなら回り道しなくてもどこでも行けそうだしね」 「では、ここに首都を建設するということでよろしいでしょうか?」 「おう、ここにしよ」 オレと楓香、ローズの3人でそんな会話をしていると、背後から声が聞こえた。 「へぇ~、ここに首都作るんだぁ」 「せやで…って、また出たなチビっ子!」 「だ~か~ら~、アンタいい加減もうちょっとマシな呼び方しなさいよ。 私、神様なんだから」 全く気配を感じさせずに突然現れるチビっ子神様。 だが、それにも慣れつつある自分がここにいる。 「って言われても、名前知らんし」 「悪いけど名前は教えられない。 だって、名前を教えちゃうとアンタと結婚しないといけなくなるし」 「は? なんなん? なんか…よくありがちな設定してんな、お前」 「うるさい! とにかく、そういう理由だから、もうチビっ子でいいわよ」 「にしても、最近出現する頻度高いな。 よっぽど暇してんねんな」 「まぁね。 とりあえずは、ここに首都を建設するんだね。 それだけ確認したかっただけ。 じゃね!」 「あの、魔神様!」 「ん? どうしたの、ローズ?」 「実は先日頂いた召喚書についてなんですが」 「なにか問題でもあった?」 「滅相もございません。 ですが、召喚ポイントを獲得するには、この島では時間がかかり過ぎてしまうのでございます」 「あ、なるほどね。 それで、あと何ポイント位必要なの?」 「とりあえずは3,000ポイントを考えております」 「3,000ねぇ…。 あ! いい事思いついちゃった! 私に任せて」 魔神はそういうと、少し意地悪そうな笑みを浮かべた。
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