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「おい、チビっ子!
これガチのヤツやんけ!
なんとかならんのか?!」
「え?
だって3,000ポイント欲しいんでしょ?
それに、ガーゴイルくらい簡単に倒せないようじゃ、大陸に行ったらすぐ死んじゃうよ」
マジでか…。
ちょっと大陸のことナメとったな…。
「アホか!
こんな状況やったら、大陸行く前にここで死んでまうわ!」
「仕方ないなぁ…。
じゃ、これから私のこと「チビっ子」って呼ぶのやめて、「麗しのレディ」って呼ぶなら何とかしてあげてもいいよ」
「お前、もしかして、そう呼ばせたいからワザとこんなイカついの召喚したんちゃうやろうな?」
「さぁ、どうかしらね。
あ、ほら危ないよ」
相変わらず意地悪そうな笑みを浮かべながら魔神はオレにそう告げる。
━ドカッ━
突撃してくるガーゴイルの攻撃を咄嗟に左腕で受ける。
「うおぉお!!!
痛ってぇ!
クソ、なんやねん…一体…。
骨折れてるんちゃうかってくらい激痛やんけ。
ローズ装備しててコレかよ…。
てか、ローズ大丈夫か?」
「私は物体に触れたりする感覚はございますが、痛みは感じないので問題ございません。
それよりも、ご主人様こそ大丈夫でございますか?」
「うん、普通にヤバイよね。
全然腕上がらへんわ…。
しかも、変な汗流れてんのがわかるし…」
さて、どうしたもんか…。
って言っても、ここは素直にチビっ子の言う通りにするべきやろうな…。
「いえ、ご主人様。
その必要はなくなったようでございます。
ただ、3,000ポイントは諦めなければならないようですが…」
「言ってる意味がわからん…。
どういう事やねん?」
「ご主人様、とにかく一旦退いて事の成り行きを見守りましょう。
そうすれば、何が起こっているのか、がわかると思います」
オレはローズが言うように楓香の近くまで後退する。
妹を危険にさらす可能性はあったが、オレは彼女を信じた。
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