22 始まりの小屋

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「さてと…。 飯も食ったことやし、地下に繋がってるっていう階段でも探すとするか。 もうちょいしたら、雨も降ってきそうやし」 「でも、お兄ちゃん。 私、この小屋を出る時に部屋の隅々まで確認したけど、それっぽい階段なんてなかったよ」 「それだったら、あれじゃねぇですか。 小屋の外にあるとか」 ラルフの言った通り、オレたちは小屋の外をぐるっと回ってみる。 「あっ、多分これやな」 小屋の周りには雑草が生えているのだが、一箇所だけ明らかに異なる部分があった。 そこには鉄の板らしきものが置かれていたのだ。 触れてみると、それは地下へと続く階段の蓋であった。 ランプで光を灯しながら、慎重に階段を下っていく。 ちなみにだが、このランプは、これから地下に行くということで、予めガウィンディで調達してきたものだ。 ある程度階段を下っていくと、大広間のような場所に出る。 オレたちがその部屋に足を踏み入れた瞬間、電気をつけたかのように部屋の中が明るくなる。 部屋の壁に埋め込まれているクリスタルのようなものが一斉に光り出したのだ。 「これって…なんだろう?」 楓香が見つけたのは、楽譜スタンドのようなものであった。 それは部屋の入口付近に置かれていた。 だが、それ以外には何もないただの大きな部屋である。 皆が「?」になっていた。 あのローズでさえもだ。 「一体なんやねんな。 チビっ子のやつ、面白くてオレが喜びそうなモンがあるとか言ってたけど…」 とりあえずは、皆がそれぞれに何かないか?という思いで部屋を物色していた。
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